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世界が暗くなった時俺は喜んだ
30XX年この年地球では2つの国が地球の支配権をめぐって争いを起こしていた。
かつて地球には数多くの国が存在していた。先進国は核兵器を持ち、豊かな国は発展途上国に圧をかけ圧政を敷いたり無理やり金を取り上げたりしていた。当然いくつもの国が戦争をし、先進国間でも一色触発の状態が続いていた。
そして世界規模でAIや機械などの技術が向上していった。ある科学者は「3000年くらいにほぼ全ての事が機械で賄われるだろう」と発言をしていた。
しかしその予想は外れた。なぜなら2700年には既に全てのことが機械化されたからだった。
お母さんたちがいつも困っていた家事(買い物・洗濯・食器洗い・献立・家計簿)を始め会社での仕事にも機械が導入され90%は機械が働くようになった。当然技術が進歩すれば悪用する者も増える。軍隊の武器は以前の時とは違い銃の形はしていても手のひらサイズなのに山を一つ壊せるような武器や爆撃機も圧倒的な火力と装填数になった。
そして当然このような技術は先進国が持っていたため必然と先進国は発展途上国を様々な言い分をつけて支配するようになりとうとう3000年には世界は海を分けて2つの国だけになった。当然各国に法律などは存在していても世界規模の法律などただの名目でしかなかった。
「はぁ、、、疲れた」
そう言いながら昴は帰宅するため川辺を歩いていた。ここは田舎なので道がエスカレーターではないが都会は全ての道がエレベーター式になった。しかし俺は田舎のほうがなんだかおちつく。ここはこの国でも数少ない機械化が進んでないところだ。
そうして一人で歩いているとふと目の前に人影が現れた。
「ねぇきみ」
「うぇ!?」
ぶつかりそうだったのであわてて避けとしたら話しかけられたのでびっくりして思わず変な声が出てしまった。
「え、な、なんです、、、、」
そうして相手の顔を見た途端昴は声を失った。なにせ目の前にこの世のものとは思えないほど綺麗で見とれるほど美しい容貌をしていたからだった。
「お疲れ様」
そうして謎の女性は予想外の一言を行ったのだった。
「お、お疲れ様です?」
「一緒に家まで帰らない?」
この時よくよく考えればおかしな話だったのだが昴は女性に一目惚れしてしまい躊躇わず帰ったのだった。
「そうなんですよ、また今日も怒られて、、、」
「それは大変だったね」
そうして家の近くまで女性と話をした。
「すみません、家についちゃいました」
そうして女性に挨拶をしようと思ったが振り向くと彼女の姿はなかった。
翌日の帰り昨日のように帰っていると道端の岩の上に彼女が座っていた。
「こんにちは」
そう声をかけると彼女は昴をみて微笑んだ。昴の頬が赤いのは夕日だけのせいじゃないだろう。
そうして彼女は当然のように昴と一緒に帰るのだった。
「ねぇ」
「なんですか?」
「私達付き合わない?」
「・・・は?」
彼女の突然の告白に頭がついていかず昴はまた間抜けな声を出した。
「えっと、、、買い物とかですか?」
「ふふっ、君がしそうな反応通りで面白いわね」
「えっと、、、」
「そのままの意味よ。私あなたが好きなの」
「えっと、うれしい、、、です。あの、俺もあなたが、、、す、すき、、、です」
「しどろもどろね、初々しいわね」
「か、からかわないでくださいよ!」
「ごめんごめん、で?付き合ってくれる?」
「もちろんです!」
こうして昴と謎の女性は出会って2日で付き合うことになった。
「きゃはははーーまってー」
炎天下の公園、昴と女性はベンチに座っていた。所謂デートである。
「私シャボン玉吹いてみたかったの!」
そう言って彼女はシャボン玉を吹いていた。ここ数日で分かったことは彼女が見た目通り可愛い事と精神年齢は高いが所々で幼いことであった。
「たのしいわね、一緒にやらない?」
「いいよ、俺は見ているだけで十分だよ」
「そう?」
そうしてシャボン玉を楽しんだあとベンチで日が傾くまで話をした。
「そう言えばなんて言う名前なの?」
今更ではあるがここでようやく彼女に名前を聞いてみた。
「うーん、、、そうねぇ、、、アキって呼んで?」
「わかった、アキ。」
アキは家の都合でここで別れることになった。
「あ、アキ!わすれもの!!」
自分はアキが被っていた帽子を返すために振り向いた。
しかしアキの姿はなかった。
そうして月日が経ち____
「今日は何のよう??」
昴はアキに家に言っていいかと言われ断る理由もなく家に招いたのだった。
「なんで??」
「アキがここに行きたいって言うことなかったから。それがしかも俺の家ってことは、、、そういうことかなとか、、、もにょもにょ」
「ふふっ、何勘違いしてるのよ。話があるから来たのよ。」
そうしてアキは微笑んだ。しかしどことなく元気がなかった。
「で?話って何?」
「それより飲み物あるかしら?頂きたいのだけど、、、」
話を促すもアキはいろいろな理由で言おうとしない。そのうち二人共黙ってしまった。
そして1時間も立ってしまった頃アキが話し始めた。
「ねぇ昴」
「ん?」
「私実は機械なの。」
「えっ!?」
突然アキはそういったのだった。
「ごめんね、びっくりしたよね、、、。私は機械でしかも地球の機械でもないの。」
「う、うん、、、」
びっくりして言葉が出なかったから昴は取り敢えず頷いた。
「そして、もうひとつ人生で一番びっくりすることを言わなきゃならないの」
「う、うん」
昴はアキが機械だということを一旦思考の隅において次ぎに来る混乱の津波に飲まれないよう気を引き締めた、がそんな努力は意味などなかった。
「明日、この星は滅ぶわ」
「・・・!!!」
とうとう昴は驚愕のあまり目を見開いて声も出せなくなった。普通の人なら「冗談言うなよー」と言ってすむだろうがアキの沈黙していた時間や態度、今までの生活からこんな冗談をアキが言うはずがないと昴はわかっていた。
「正確に言えばこの星は99.9976354%が機能しなくなるわ」
昴はなんとか機能する思考の中で確率の言い方も含めて改めて彼女は機械だということにひどく悲しくなった。
「そして、私はもう二度と昴に会えないわ」
「待ってよ!それってどういうこと!?」
「私は宇宙の秩序を守る所謂宇宙警察なの。そして明日私は私の命と引き換えにこの星全てに超高圧電流と電磁波をかけてこの国と向こうの国の機能を機能しなくさせるわ」
「ま、まってよ!なんでアキが犠牲にならないといけないんだよ!!」
「私達は秩序を守るために働くんだけど、どこの星も宇宙進出するくらい文化が発展しまった。そして既にいくつもの星が滅んだ。そして秩序を守るためには私達の誰かが爆発してとめるしかないの。この星は実は既に両国とも星を実験の過程で2つ滅ぼしてるの。」
「そんなことはどうでもいい!!なんでアキなんだよ!他のやつが死ねばいいだろ!!」
パンッッ
気づくと昴は倒れていた。左頬が鋭く痛む。どうやら平手打ちされたようだ。
「わかってるわよ、わかってる。昴の気持ち。けどこれは上からの命令なの。命令に逆らえば宇宙の果てだろうがどこだろうが処分されるの。他の人が代わりになったとしてもその人にはその人が死んだら悲しむ人がいるの。お願い、私も辛いの」
「ごめん、、、」
「突然私が言ったのは本当に悪いわ。安心して、あなたの安全は私の名にかけて守るわ。」
「・・・」
昴は何も言えずただただ涙を流し続けた。
「これ出会えるのも最後。私は本当に昴を愛しているわ。」
そしてアキは昴と日が暮れるまで泣き続けたのだった。
「本当に最後に昴にはこれを渡しておくわ」
夜になりアキが帰る支度をしている時アキが昴に手紙を渡してきた。
「これは?」
昴はまだぼやける視界の中アキに問うた。
「私が書いた手紙とプレゼント。けど絶対にまだあけちゃダメ。全てが終わったら開けて。あ、もうひとつはい」
そう言ってアキは自分にかかっていたネックレスを昴にかけた。
「ありがと、、、」
「それはわたしからのプレゼント。いろいろなことから守ってくれるのよ」
「お、俺からもプレゼント、、、」
そういって昴は小さいくまの人形をアキにあげた。
「ありがと」
はじめてアキはびっくりした顔になった。
「じかんがないわ、、、これで本当に最後。」
「うん、、、ねぇ」
そうして昴が言葉を言おうとするとアキは昴に近づいて
チュッ
キスをし、そして
「ねぇ昴、、、、」
【愛してる】
そういってアキは出て行った。
「________!!!!!!!!!!!」
昴は次の日まで泣き叫び続けた。
翌日の正午空に大きな船の形をした物が現れ
_______そして爆発した。
その爆風はアキの言うとおり全てを壊した。
高くそびえるビル・何万人も入る大きな遊園地や野球場・重要都市では何もかも跡形もなくなくなり、そして地球の100%の機械類が使えなくなった。唯一残ったのはなぜか無傷の人々のみ。
コトン
昴が呆然としていると目の前に何かが落ちてきた。
それはくまの人形だった。人形は右足に焼かれたあとがあり背中に紙が縫い付けてあった。そこには
『昴、ごめんね。私はそのプレゼントと一緒に行けない。
だって、この人形がなくなるとなんだか昴との思い出も全てなくなる気がして、、、
だからせめてこのくまさんを私として大切にしてね。
昴に愛された世界一幸せなアキより』
泣き尽くしたはずだったが矢張り昴は耐え切れず泣き続けた。
2週間後
事態が一旦収まると世界の悲惨さが見えてきた。あいての国の状況は知るすべもないがこの国の悲惨さは嫌でも分かった。なにせ今まであった建物が全てなくなっていたから。
「そういえばアキに渡されていたな。もういいかな」
そうして昴は手紙を開け逆さまにした。
ポロッ
中から直径1cmくらいの小さな粒が出てそのまま地面に転がった。
次の瞬間
目に見える全ての景色が変った。
目の前の皮には溢れんばかりの魚。
遠くに見えていた都市は一面緑になり。
じぶんを中心として一体には野菜が数えきれないほど育っていた。
そして土の中からは
『地球へのプレゼント!!!』
とかいてあった。どうやらただ壊すだけでなく再生できるように手助けをしたらしい。
「手紙って言ってたな。」
封筒の中には手紙が入っていた。
『おひさしぶりアキだよ。今言うけど正式には(A2KptghI型)っていうの。
実はね、私昴を見た時ピンときたんだ。この人なら一生大切にしてくれる!って。
おかしいよね。けど私本当に運命を感じたし何より一目惚れしちゃったの。
あの日昴と出会ったのは偶然じゃないの。
ねぇ昴私楽しかったよ。毎日学校の帰りに話して、休日は毎日公園に行ったりして。
本当に一瞬一瞬が大事な思い出だった。
本当はねもっと早くに終わらせる予定だった。けどどうしても昴といたくて、どうしても昴と別れるのが辛くてギリギリまで伸ばしてたの。
ここでなら弱音を言ってもいいかな。
本当は怖い。自分がなくなることよりも昴と会えなくなることが。今になってこうすれば、こんなことをすればって次から次へと湧いてくるの。昴とずっといっしょに居たかった。昴と幸せになりたかった。もっと早くに出会っていたら変ったかな?
昴、私を忘れないでね。私は昴の中にずっと居るって思って勇気出して行ってくるから。
書くこと沢山あって長くなっちゃうし昴ってずっと呼んでるね(笑)
これで最後何回目かな?
柳澤 昴ずっと愛してる。ありがとう。
柳澤 アキ』
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