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小さい頃からそうだった。死ぬ直前に会った親戚の叔母さんや、近所のおじさんからは、どの人もみんな不思議な甘い香りがした。周りの人間に聞いても「そんな匂いはしなかったよ」と言われるので、最初は僕の鼻が変なのかもと思ったけれど、どうやらそうではなさそうだ。
僕が中学生のとき、交通事故で亡くなった近所の子供と最期に会ったときにも、やはりその香りがした。
ただ、この香りには不思議な共通点があった。
それは、甘い香りがするのは、僕にとって大切な人だけ――そして、僕と会うのが最期のときだけということ。
いくら死期が近くても、死ぬまでにまた会えるのならば、その人からは香りがしない。逆に死ぬのはまだ先なのに、僕と会う機会が少ない人物から、香りが漂うこともある。
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