幹と美樹

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 進路を決めるにはぎりぎりというラインをゆうに超えてはいたが、僕は大学進学という道を選んだ。  受験勉強は想像以上に大変で、ノートに顔を突っ伏しながら『くっそー、大学進学なんて選ばなきゃよかった!』と心の中で泣きそうになった。  でも、合格通知が届くと『頑張ってきてよかった! 大学進学を選んでよかった!』と心の底から喜べた。  感情は天気みたいにコロコロと変わる。そこには、理屈も理論も存在しない。それでいいのかもしれない、それが人間らしさなのだろう、と僕は思った。日記を書くことで、僕は僕の感情に向き合い、自分の心の機微を客観的に捉えられるようになった。
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