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突然意味の分からない事を言い出した佐々木を怪訝に思って見つめれば佐々木はニヤリと笑った。
「だーかーらー俺がね、野崎がつい関田の事押し倒しちゃうように仕向けてやろうかっつってんの。」
ニヤニヤと笑う佐々木に嫌な予感しかない。
俺は片眉をあげて全力で拒否をした。
「しなくていい。テメェがやるとろくな事ねぇだろ。」
「ひでぇ。せっかく一肌脱いでやろうっつってんのに。」
「黙れチンカス。」
「おいおい流石にそれはねぇって。」
ケタケタと笑う佐々木を無視して俺は小さく溜め息をつく。
どうして佐々木はこう下品なのだろう。否、自分もだが。
(別にいいし。俺は1年だろーが10年だろーが待ってやるから。)
気の遠くなる話だがそれでもいいと思えるぐらい俺は野崎の事が好きなのだ。
もしかしたら野崎とそーゆう事になるのは今後一切ないかもしれないけれどそれはそれでいいと思う。
SEX抜きの恋愛だってあるはずである。たぶん。
「なーなー、」
不意に佐々木から話しかけられて何?、と視線で問う。
「俺授業サボるけどオマエどーすんの?」
「あ?んじゃ俺もサボる。」
「よっしゃ。屋上行くべ。」
「おーう。」
佐々木がガタリと席を立ったので俺もそれに続いた。
教室を出る際に野崎と目があったような気がしてドキリと胸が鳴ったのは俺だけの秘密である。
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