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屋上のかたいアスファルトの上にゴロリと佐々木と2人で寝転ぶ。
寝心地は悪いけれど心地の良い陽があたるからお気に入りの場所だ。
「ねみぃ...」
「え、関田寝んの?」
「え、寝ないの?」
「え、寝るけど。」
「うぜぇ。」
「ひでぇ。」
佐々木と馬鹿らしい会話をしながらもゴロゴロする。これは最早日常茶飯事だった。
学校には来るけど真面目に授業に出ない俺。野崎はこんな俺のどこを好きになったのだろうか。
一番の疑問である。
「屋上ってなんでこんなかてぇの。」
佐々木が馬鹿な事を呟いてしみじみと思う。佐々木って馬鹿だな、と。
「明日から枕とかもってこよーかな。関田もってこよーぜ。」
「え、オマエ何しに学校きてんの?つかもってかねーから。」
「え、もってかねぇの?てゆかなんでって野崎に会いにきてるに決まってんだろ。」
「なんでテメェが野崎に会いにきてんだよ。」
「気分だろ。」
「うぜぇ。」
ホント馬鹿らしい。阿呆丸出しだ。嫌になってくる。
こんな俺が野崎と付き合っているなんて信じられない。むしろ付き合っていていいものか。
嫌な考えが頭をよぎる。体の繋がりがない分余計に不安なのだ。
いくら好きだ、と言われても完全に信じきれない自分が嫌い。
俺は小さく溜め息をついて目を瞑った。
起きていると余計な事を考えてしょーもない。さっさと寝て何も考えないのが一番いい。俺はそう自分を納得させて意識を手放したのだった。
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