胸やけするほど甘くてゆっくりだけど!

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 ごめん、と呟く野崎の話に呆れた。とゆーよりも佐々木に呆れたのだ。 「...なんつぅか、たぶんキスマークつけたのは佐々木。けどヤッてない。」  ポツリ、と呟けば野崎は、は?、と首を傾げる。 「今日俺5、6時間目佐々木とサボっただろ?そん時昼寝してたんだけどなんか首んとこチクッとしたんだよ。たぶんそん時つけられた。」  確か昼休みに一肌脱ぐ、など意味の分からない事を言っていた。佐々木はそれをわざわざ実行にうつしたのだろう。しなくていいと言ったのに。  それを野崎に話せばば野崎も呆れたような顔をしていた。 「佐々木って、...なんか馬鹿な奴だな...。」  そう苦笑して言う野崎に俺もうんうん、と頷く。こんなやり方一歩間違えれば破局の危機である。 「けど何だかんだで野崎の本音知れて良かった。」 「俺もそう思ってる。」  険悪なムードはすでになくいつも通りのふわふわと甘い時間だ。  野崎はゆっくりと俺の頬を撫で真剣な声で言った。 「なぁ、キス、していいか?」 「う、うん。」  頬をうっすらと赤く染めてそっと目を瞑る。そうすればやんわりと顎をひかれて唇に何かが触れた。  それは一瞬で離れて俺はゆっくりと目を開ける。その瞬間最後のおまけとばかりに野崎は俺の唇の左下にあるほくろに口づけを落としてから照れたように言った。 「なんか、すげー照れる。初キスでもねぇのに。」  そう呟く野崎に俺も、と小さく頷く。  キス1つで幸せな気持ちになれるって凄いと思うのだ。甘くておだやかな気持ちでいっぱいである。
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