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「えー? そうだったんですか。道理で手際がいい。早く言ってください」
「で?」
「ああ、あの女性の遺体を見て、あれ、この女性、地震のあと、店に来たはずだけど、と驚いてました」
「・・・・・」
「・・・・・」
「何なんだろうな・・・」
「解りません。解りませんが、でも・・・なんだか、母親の愛って、すごいなぁ、と」
「そうだな。・・・・お前、やはり、お前があの子に伝えてこい。」
「そうですね。・・・僕の役目ですね。母親がどれだけあの子を愛していたのかも合わせて伝えてきます」
しばらくして、母親の遺体にすがりながら、泣き叫ぶ子供の声が響き渡った。
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「お父さん、ミニオン、あっちだよ」手をつないでる聡が半分走りかけながら言った。
「急がなくても大丈夫」エクスプレスパスを持っている僕は強気だった。
妻の智子は、そんな二人を後ろから微笑みながら優しく見ていた。僕は左手を智子に差し出し手をつないだ。結局、USJ貯金は見つからなかった。
「智子は今年28歳だね」
「そうよ、会社で、女性に歳尋ねると嫌われるわよ」
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