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第01章 : 放課後告白タイム
―― ねぇ?
―― ねぇ? ねぇ?
―― 聞こえているんでしょう?
―― ねぇ!?
今日で何日目だろうか……。最早、時計を確認するまでも無い。
この声を僕の耳が捉えた事で、僕の思考は午前2時を確信した。
俗にいう【丑三つ時】。
毎晩、毎晩。毎夜、毎夜……。
微かに。そう、ほんの微かではあるが。僕を呼ぶ声。
いやいや……。僕を呼んでいるなんて事が確定してはいない。
っというか、そう願いたい。
だってそうだろ? そうですよね!?
高校2年男子の一人暮らし。しかも、敢えて言うならば【霊感】等の特殊能力SPECを、生憎持ち合わせていない。
……はず。
ちょいちょい……。待ってくれよ?
もしも、もしもの話だけどさ……。
僕が【霊感】とかいう、その非現実的なSPECがあったとしたならば?
いやいやいやいやいや……。そんな事は無いでしょ?
今まで【見えた】事ないからねっ!?
うんうん……。
現在進行形で【見えて】いませんからねっ!!
そう心で叫びながら、僕の瞼はキツク。そして強く、より一層視界を塞いでいく。
怖くて確認等は出来ない。出来る訳が無い。
瞼を開放した瞬間に 「オマエだっ!!」 等という、怪談のお決まりフレーズを浴びせられた時には……。
高2男子も、おねしょしちゃいますよ。翌日からおねしょパンツ装備ですよ。
「あっ。なんか、おしっこ出そう……」
あ”あ”あ”――――――――――――――――っ!!!!!!!!!!
声が出ちゃったぁ――――――――――――っ!!!!!!!!!!
気付かれてないよね!?
声の主に気付かれてないっすよね!?
なんまいだぶつ……なんまいだーぶつ……。
成仏して下さいお願いします。
なんまいだーなんまいだー……。
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