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「お姉さんが登場した時、びっくりしたけど、なんか言うことがまいかっぽいなと思ってさ。変だな変だなと思ってたら、目の前のまいかが、“あれが本物の舞香です”って。それで、口裏合わせてまいかを騙して呼び出そうって話になって、今こうなってると」
「ごっ……、ごめんなさい!」
私は思いきり頭を下げて謝った。
「私、たいきくんをガッカリさせたくなくて……こんな顔じゃ、もう仲良くしてもらえないかもって思って……騙してごめんなさい!」
「どんな顔? ちゃんと見せてよ」
たいきくんがそう言うので、私は恐る恐る顔を上げた。たいきくんは私の顎に手を添えて、いたずらな笑みとともにまじまじとこちらを見る。
「そんなに悪くないじゃん」
「でも、妹みたいに可愛くないから……」
「まあ、まいかの写真が可愛くてテンション上がったのは事実だけど」
それを聞いて、わかっていたけど少し傷ついた。
「でもさ、やっぱり外見が良くても、神社について語れないんじゃダメだわ、俺。まいかとは話が合って楽しかったから会いたいと思ったし、これからも仲良くしてほしいし、できれば彼女になってほしいけど、ダメ?」
「え……」
「一瞬でも妹になびくようなヤツじゃダメ?」
収まってた涙がまた下瞼に湧いてきた。
ふるふると感情が震え、顔が熱くなって、返事をしようと開いた唇は声を出せないまま、また閉じてしまう。
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