*再会

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すると… 反応が悪いあたしを心配したらしく、ようやくあたしと目を合わせた。 「どうしたの?気分悪い?」 「はい。悪いです」 確かに『気分』は悪い。 あたしは若干先生を睨みつつ 吐き捨てる様に即答した。 その言い方に 先生はあたしが怒ってる事に感づいたらしい。 近くにいた看護婦さんに席を外す様に指示すると、看護婦さんは素直に従って診察室を出て行った。 「はぁ…。お前なぁ…」 いきなり溜め息をつき 先程の 『僕モード』→『俺モード』に 口調が変わった。 「よくあたしが怒ってるってわかりましたね」 悔しくてムスッとしながら言ってやった。 「あんだけあからさまに態度に出たらわかるから」 先生はカルテを閉じ 眼鏡を外しながら答えた。 「先生になったら、急に態度変わるんですね」 「これが俺の仕事だし、仕方ないだろ。患者は皆平等」 『患者は皆平等』ねぇ…。 そんなのは当たり前なのに やっぱり納得いかない。 研修医の頃の温かみある速水先生の方が良かった。 「もういいです。薬もらって帰ります」 速水先生は研修医の頃と違い 今は『医者』という お偉いさんになったんだから 性格も態度も変わるのは当たり前かもしれない。 そう考えたら あたしはもう どうでもよくなってしまった。
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