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恋愛映画は湊が苦手そうだと思い、ファンタジーを見ることにした
これなら2人とも楽しめるかな
チケットと飲みものを買い、3番スクリーンへと向かう
公開から日にちが経っていることもあって、人もまばらな座席
もちろん隣通しで座り、本編が始まる前の予告編が流れ出す
湊が座っている右側が妙に意識してしまって、映画を平常心で見れるかわからない
湊「つぐみ、寝るなよ」
顔を近づけて小声で話しかけてきた
つぐみ「大丈夫、湊こそ寝ないでね」
こんなに意識している状況で寝られるわけがない
映画泥棒の映像が終わり、本編が始まった
真っ暗になり、スクリーンの映像だけの光りが余計にドキドキさせる
本当に私は何を考えているんだ
映画に集中しろ!
なんとか自分を取り戻し、映画の内容が頭に入ってくるようになった
左の手元にある烏龍茶を飲んで喉を潤す
そっと横の湊を見てみると映画に入り込んでいるようで、真っ直ぐ前を向いている
その時だった
私の右手が何かに触れたのだ
自分の膝の上に置いてある手が温かくなる
湊の手が私の手の上に重なっている
一瞬で体が熱くなる
手を繋ぐくらい歴代の彼たちの時は、こんなに気持ちが高ぶる事なんてなかったのに
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