black × cherry ☆番外編☆

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「おまえはかわいいよ。なにしても」 「!?」 (ええっ!?) あまりにも、黒崎さんが私のことを褒めてくれる。 こんな場所で。 こんなことを言うなんて、黒崎さんじゃないみたい。 「あ、あの・・・!どうしたんですか・・・!?」 「なにが」 「なにがって・・・黒崎さん、そんなこと、今まで言ったことないですよっ」 朝、車の中でちょこっと言ってくれたけど。 こんなふうに、向き合って何度も言ってくれるのは、今が初めてだったから。 「そんなの・・・付き合ってない時に言えねえだろ。思ってても」 「え?」 「・・・って、オレも、普段はあんまり言わねえよ。付き合ってても。そういうこと」 「確かにどうかしてんな」と、最後にひと言付け足した。 そして我に返ったように、顔を赤く染めていた。 「・・・まあ、とにかく、言わないかもしれないけど。思ってるよ、いつも」 照れたようにそれだけ言うと、黒崎さんは咳払いをして話題を変えた。 「・・・咲良は、あと二年は学生だろ。卒業したら、何かやりたいこととかあるのか」 結婚のことは、とりあえず置いておいて。 なりたい職業はあるかと聞かれた。 「はい。最近、佐和子おばさまのお手伝いができたらなって考えていて」 「へえ・・・事務職の方か」 「はい。まだいろいろ考えている最中ですけど・・・昔から、おばさまにはすごく憧れていたんです。 理事長をやるって言ってくれたおばさまの、力になれたらなって思います」
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