black × cherry ☆番外編☆

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(ありえねえ・・・) 毎回、ただの捜査の手伝いだろーが。 オレじゃなくても誰でも可能。今度こそなんてありえない。 けど、署長は立場を気にしてる。 本部長に逆らえば、どうなるかわかんねーもんな・・・。 「た、頼む、黒崎!来年、娘が結婚するんだ」 「・・・はあ」 「盛大にハワイでやるんだよ。それで親族の旅費、全部俺が出すってもう言っちゃったんだよ!だから降格でもしたら大変なんだよ!!」 (・・・なんだそれ・・・) 親族の旅費全部って。 何人分かは知らないが、降格せずとも普通に無謀な約束だろーが・・・。 ため息をつくオレを見て、署長は涙目で懇願してくる。 「た、頼む・・・!頼まれてくれ・・・!」 (・・・めんどくせえな・・・) こういうのは本気で苦手。 あまりにも面倒で、わかった、と返事をしそうになったとき。 「署長」 後ろから声がした。 振り向くと、市谷さんが無表情で立っていた。 「明日なら、オレが出ますよ」 その申し出に驚いた。 けれど署長は、オレよりもっと驚いていた。 「は!?な、なんでだ!ダメなんだ、黒崎じゃないと」 「黒崎じゃないとって・・・これまでの休出、全部誰でもできることだったじゃないですか。多分今回もそうですよ。それに、黒崎の代わりをオレができないとも思えないので」 市谷さんがさらっと言った。 ムカつくが、否定もできず言い返せない。 「い、いや、しかし・・・」 「今度監査が入りますよね。病休明けの黒崎が二か月も休みなしなんて、バレたらそれこそマズイんじゃないでしょうか」 「う・・・ま、まあ・・・確かに・・・」 困った、と頭を抱える署長に対し、市谷さんは淡々と言う。 「オレが勝手に交代したって言っていいですよ。オレは、本部長とたいして関わることないし」 「そ、そうか・・・!そうだな、じゃあ・・・そんな感じで」
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