おいでませ、勇者様

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「あちらの儀式の間にて司祭様がお待ちです。」 シスターは一通りイリアに場所を案内するなり深々と頭を下げその場を立ち去った。 残されたイリアは司祭が待っているという儀式の間へと足を踏み入れた。 「お待ちしておりました。召喚の為の魔法陣はすでに出来上がっております。では、私はこれで失礼いたします。貴方様に神の御加護があらんことを…。」 イリアと同じく純白のローブに身を包んだ老人の男性は一通り言い終えるなり、胸の前で十字をきりその場を後にした。 「…皆んな、私に期待をしてくださっている…私もそれに応えなくてはなりません。」 イリアはふと、司祭が出で行った方を見つめるなり改めて巨大な魔法陣が描かれている方へ視線を向けた。 「この世界を、魔王の好きにはさせません。」 イリアは魔法陣が描かれている手前まで足を運ぶなり大きく深呼吸を一度した後、右腕を差し出すと淡い光が右手に集まりやがて自身の背丈ほどもある杖を握りしめた。 「…世界の均衡を崩す者現れし時、闇が光を覆いし時、かの者この地へと導かん…ー」 イリアは両手でしっかりと杖を握り自身の前に打ち立て詠唱をし始めると同時に、目の前の魔法陣が眩く光り輝き始めた。 「いでよ!この地を救う者よ!!」
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