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パパーズ+!
「で?この巨大な一本庭園の剪定をすれば宜しいのでしょうか?」
「・消してしまえば簡単だろう・」
セドリックさん。そこのところは、エバではなく私に聞いて欲しい。
「全て消してしまえばでは…特に緑に関しては、宜しい判断とは申しかねます。
アンクレット様は…言わずもがな剪定が得策と思っておられるようですね。」
さすがわセドリックさん!上司にもしっかりと意見の言えるできたお方だ。
笑顔で頷くあたりは、なにエル坊主のようだ。
「ただ、この星並みの巨木を剪定は…なかなか無理があると思いますが。
何かお考えが?」
「あ、はい。前に海辺の地形を変えた時に…他にも…。」
色々やったけど、あれが一番だったよな。
「地形を変えた?それはまた、神の御術に等しく。」
「・・・・」
エバが無言なのは、あの時の一番の協力者はエバだったから。…正確には、エバのパートナー内のひとりの飼いイルカだな。
「いえ。海辺どころか、国中アンクレット様が変えまくっていますが。」
「まあ。わ…ワッしは、驚きませんデスが。」
地形に関しても上物の建物込みで色々弄った事はある(属性混合魔法と✕創造✕リフォーム魔法で)。
緑に関しては、草木どころか茸や海藻まで、更にべらぼうにやらかし過ぎていると言うべらぼうな自信がありまくりだ(豊穣属性持ちだし)。
あの時のように、木の型どりをしてそれを剪定に利用できれば良いのだけど…。
この大きさと亜空間と言う特殊な環境を考えると…。
「・学園寮の屋上に山と草原やらを造り出した事を見れば、お前にとっては容易い事だと思うがな・・」
ああ…そう言えば、そんな事もあったね。
「アレを消すのに、相当苦労をしたのですが…アンクレット様は、忘れてしまわれていたのですね。」
「いやあ…あはは。あの時はホラ、魔力暴走の後のミニ暴走で…。」…だったよね?思い浮かべただけで、ポンポン出ちゃってたポンポン期?
喉元過ぎれば熱さ忘れるってやつだな。
「屋上…セランちゃんとはじめてお茶したあの場所デスね。
あそこに山と草原…デスか。 」
「あと、ジャングルとか?」
「ジャングル…ま、驚きませんけど。」
「破壊によって地形を変える事は、他者にも可能ですが。
アンクレット様の場合、空間をねじ曲げてでも思うがままに造り変えてしまうと言う神業をお使いになれますので、此処でもその御力を使う事は可能かと存じます。」
こくりと頷く奴やら呆れて口を開けたままの奴やら…祈り始めようとする奴やら…
三者三様…なんて場合じゃない!
サッサと終わらせようぜ!と言おうとしたら、セドリックさんとなにエル坊主が頭を抱えて溜め息ついた。
「大地とリフォーム魔法混合の応用ね。ま、細かい事は気にするな。
それよか、見晴らし悪い此処よりも根元のあたり迄下りたいんだけど。
見通しきれない場所の情報がインプットできたら、ベストなんだけど。」
「・アークは魔力を温存しておけ。破壊…枝葉の切り落としは、俺様の方でなんとかする・・」
おー?不機嫌そうだったエバが、口数多くしゃべった。
「それでは、此処はわ…ワッシがデスね。
…コレ持ってていただけますデスか?」
なにエル坊主がセドリックさんに渡された。なにエル坊主『コレ』扱い。
大きく鎌を振りかぶり、デス男が真横の枝葉を…枝葉は落ちずに、空間に下弦の三日月のような切れ目ができた。
「魂の動きを感じられない空間デスし、正確に目的地に着ければよいのデスが。」
ともかく、Go!
「アンクレット様…」
「ん?」
「『インプット』とは?」
今それ、説明しなくちゃダメ!?
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