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みんなもふと考えたことがないだろうか?自分が『生きてる意味』を。
僕はいつも考えている。朝起きた時、食事をしているとき、何かをしているとき、そして……寝るとき。
僕は多分これからもずっとこのことを考えていると思う。
例え、誰かと笑い合っているときも。
例え、自分の趣味や楽しいと思えることに夢中になっているときも。
例え、次に進むための壁にぶつかっているときも。
例え、自由に外を歩けるようになっても。
僕は生きている限りいつまでも自分が『生きてる意味』を探していると思う。
だけど、それも今日で終わり。
本日、僕は天国という場所に旅立ちます。
死因はよくある治らない病気にかかったわけでも生まれつき持った病気でもなく、ただの自殺。
天井に吊るした縄の輪に首を通し、自身の体重によって死ぬというよくある「首吊り」というものだ。
別に何か不満があったわけじゃない。
家族である両親は優しく、いつでも僕の事を気に掛けてくれる。
友達も虐めてきたりなどもしないし、困った時なんか一緒に考えたり、力も貸してくれる。
教師も別に問題があるような人でもないし、生徒一人一人に気に掛けてくれる生徒想いな人ばかりだ。
その他にも近所に住む人も会うたびに挨拶はするし、仲の良いご近所さんなんかは他愛のない話もたまにはする。
じゃあ、何故自殺するかって?そんなの僕にも分からないよ。
ただ、『生きてる意味』を考えていると別に僕なんか生きてようが死んでようが別に大した問題にもならないだろうと思った。
それに僕は大した趣味も無ければこれといって大切だと思える人もいないしね。
確かに家族は僕を生んでくれて、育ててはくれたけど、別にそんな大切だと思ったことも無い。
それは家族だけでなく、友達や教師、近所に住む人も同じだ。
別に誰かが死のうといなくなろうと僕は多分何も思わないと思う。
僕はそう思った時、人として何かが欠落していると考えた。
だから、この世を去ってみようと思ったんだ。
そして、僕は今、この世を去ろうと天井に吊るした縄の輪に首を掛ける。
やはり何も感じない。
土台にした椅子からゆっくり足をずらしていく。
徐々に首にかかる体重の重さが分かる。
あぁ、これで死ねるなんて人間とは脆いものだ。
とうとう、足が土台から離れ、体重が全て首にかかる。
徐々に呼吸が出来ない苦しさと死ぬという感覚が自分の中を駆け巡る。
もう声なんて出せるわけがない。だから、僕は心の中で呟く。
「さようなら」と。
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