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関西地方。北緯34度47分53秒 東経135度14分51秒。
――なによ、これ? どうして、こんなことになっちゃったの?
さっきまで車の中で彼氏といちゃついて、きょうのお泊りデートプランを考えながらわくわくしていたのに。せっかく美容院にいって、髪を整えて、エステにもいって、お肌のお手入れも入念にして、いい服を着てきたのに――危険日だって避けてきたのよぉ!
きょうのデートは、彼氏にたっぷりお金を遣わせて、おもう存分楽しませてもらうことになっていたのよ。
それに、きょうのデートは、わたしにとって、正念場だったのよ。彼氏をほんとうの彼氏にするため、わたしのいちばん大切なモノ――みなまで言わさないでよ。カラダよっ! わたしのカラダ!――をあげることにしたのよ!
――だからって、尻軽おんなとは、おもわれたくないから、デートはしっかりと主導権を握って、のぞむことにしたの。
男と女の関係は、最初が肝心――声を大きくして言うわよ!――なのよ!
……お風呂から出たあとも、けっして、こっちからがっつかないようにして、あくまでも、向こうから迫ってきたこととして、エッチの状況にもっていくの。これってけっこう大事なことで、後あと揉めたときだって、この事実を男に突きつけてやると、男って急に弱くなって扱いやすくなるんだから。そうやって、この男とは必ず結婚にまで持ちこんでやる! そうよ! そう決めていたのよ! そうすれば、わたしの人生バラ色――古くさい表現でわるかったわね!――よっ!
……でも、どうして? 木の枝や、草や、石っころと泥にまみれて、地面を転がらなくちゃならないの?
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