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でも三年前に祖母が亡くなり今は母と二人暮らし。
祖母が病気で長い事入退院を繰り返してた事もあり、母と同じ道を進み私も看護師になった。
母は介護施設に、私は病院に勤めている。
二人きりになってからは、お互いの仕事を優先することにした。
必然的に食事が一人になることも増えた。
家事もシフトに合わせて分担している。
今日母は既に仕事で出勤していて、私一人…
夜勤明けは母が作った食事を済ませ、シャワーを浴びてからの就寝。
兎に角疲れた身体には睡眠が一番。
ルーティンのような流れで一日を終える。
今日も変わりなく過ぎていくはずだった、それを手にしなければ…
私宛の手紙、送り主は覚えのない画廊の名前。
「なんだろう…」
取り出したそれは見慣れないポストカード。
建物の形からして外国の景色と思われる風景画だろうか…
「ちょっと好きかも」
そんな感想を口にしたそれは個展の招待状だった。
飯島 省吾 作品展 “愛おしいものたち”
そう記されていた。
“飯塚 省吾”
個展を開くその人の名前に息を飲んだ。
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