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武は起こすなら任せた!なんて言ってたから
俺一人がやってみた
お風呂はいってさっぱりして
家事とか終えた20時過ぎて
寝室に行き、寝ているクロを眺めて
最初はとりあえず揺すってみた
「ハルくーん、起きない?ねー、起きてご飯たべよー!」
肩を揺すって、起きないから
ちょっと頬をペチペチ叩いてみたり
瞼を開いてみたりしたけど
うん、怖いぐらい無反応だった
「やっぱりダメかぁ……なら、性的興奮なら起きるんじゃないかな?ほら、起こすためだし……寝てる子を襲うなんて紳士じゃないことは……っ……これも、起こすため……」
紳士的じゃないことはしたくないんだけどね
寝込みを襲うなんて卑劣なことは
ちょっと俺の症に合わないから
少し考えて、心と戦ってから
襲うことにした
雰囲気大事っていうし
そう思うから
布団をべりって捲ってから
サテンのパジャマの釦を外して身体を眺めてから
胸元に触れて、口付けを交わす
「ん……どうしよう……。俺一人が興奮しそう……」
バードキスを繰り返してただけで
俺の方が悶々としてきて
あ、やばいな……って思うのは早かった
首筋へと口付けたり、胸元へと顔を寄せて
舌先を当てたり軽く吸っては片手を骨盤から
下に下げて
ズボンの中へと手をいれば一瞬ドキッと胸が高鳴る
「ふっ、ハルくん……どこも綺麗ね……。ん……」
余り胸は好きじゃない人だけど
俺が、胸を舐めるのが好きだから舌先で弄ったり
ちょっと吸ったりしながら
萎えてる陰茎に触れ、指先を絡めて擦って
直ぐに自分のズボンを下げて一緒に掴んで擦っていく
「ん……はぁー……ヤバいなぁ、どうしよう。一人で気持ちいいなんて……」
陰茎重ねて擦ってるだけで息は荒れて
腰に集まる熱や掻き上がる欲に胸から舌を外し
胸板やら鎖骨に口付けを落とす
「んっ、はぁっ……ぁ、んー……あー……くそ、ごめん……っ!」
早漏は自覚あったけど
やっぱり我慢なんて出来なくて
顔を背けてぐっと堪えても耐えきれず
彼の腹へと射精していた
「はぁっ、あーもう、これじゃ……嫁が寝てる時に、嫁の手を使って自慰してる旦那じゃん……実際そうだけど……」
汚した部分へと視線を落とせば
白濁が付いてて、怒られるって思いながら
箱ティッシュを掴み、数枚を取り身体を拭けば
ティッシュ足りなくて追加で掴んで、綺麗に拭いて
精子部分が空気に触れないよう、しっかり包んでゴミ箱へと捨てる
「どうしよう……起きないし、ハルくんのは萎えてるよね……。んー……どうしよう、このまま続けても、襲ってる感じしちゃうし……」
実際にずっと" どうしよう "って何度も呟いてたぐらい考えてた
そりゃ、ハルくんの身体を見てるだけで
勃起して射精出来るぐらい興奮するけど
それってハルくんが起きる訳じゃないし
俺一人が興奮してたら迷惑だろうから
ティッシュで綺麗にした後は、
一旦ベットから下りて、頭に触れて考えていた
悩むツキノワグマのように……
「肋骨折れてる状態で攻めて、悪化とかして欲しくないし……でも、これ以上酷くやって、起こすことも出来ないし……」
ペチペチ叩いてみたり、揺すったり、擦ってみたけど反応はなかった
寧ろ、それ等をして申し訳無いぐらい後悔した
もう、焦ってパニックになった俺は
ハルくんの父さんに電話しちゃってた
" こんな時間になんのようだ? "
「もしもし、父さん。あのね、ハルくんを起こしたいけどどうしたらいいかな?」
" 何故態々、起こすんだ? "
「まぁそうなんだけど…寂しくて、起きて欲しくて」
片手でハルくんの服を整えたり、
自分のパンツとズボンをキチンと履き直して
不機嫌極まりないお父さんに問えば、彼は察したのか溜め息を吐いて問い掛けてきた
" どこまでやって起きなかった? "
「えっとね、肩を揺すってみた、頬をペチペチ叩いてみたり、後はちょっと陰茎を擦ってみた」
" ……欲求不満か? "
「ちがっ、くはないけど!性的な興奮なら起きるかなって。おい、なにしてんだ。てきな!」
日頃の彼ならされてるなって分かった瞬間
蹴り飛ばしてくるぐらいの反射神経はあるし
眠りは浅いんだけど、今の彼はそれが一切無かった
「どうしよう……ハルくん、起きなくて」
" 春の眠り姫病が起きたときが一度ある "
「えっ、どんなとき?」
"半月程、眠ってからそのまま心肺停止した時に、電気ショック与えた時だ。覚えてるだろ?"
「!!」
それは2年前の事だった
いつものようにハルくんが眠り姫になったときに
最初の1週間は家で様子を見て、それから病院へと入院してもらった
その時の俺は、寝てても平気だった
それは" ハルくんが寝たまま死ぬ "なんて事を
経験して無かったからだ
眠り姫病だから点滴してもらおう
そう思って特別個室を使わせて貰ってた
俺も寝泊まりが出来るように、ちょっと豪華な部屋
広くてダブルベッドがあって
色合いも綺麗なホテルみたいな一室
父さんのいる、消化器外科の病棟だったし
安心して使わせて貰ってた
此所は以前にも、彼が精神を病んだ時とか、
事故ったときに入院してた部屋だから
彼にとっても馴染みのある部屋らしいから
俺達はそこを使ってたんだけど
ペットの世話をして家に帰ったり
モデルの仕事をして日帰りで帰ったり
夜はクロの傍で寝てたり
そんな日を繰り返して
ある日、ハルくんが眠ってたから半月ぐらいで
俺は昼間に疲れて眠くて、隣で眠ってた
眠り姫病の検査みたいな
研究も行われてた時だから
ハルくんの身体には心電図がついていた
どのぐらいの心拍で寝てるのか
そんな検査結果を見てるときに
眠ってた俺は、ある音で目を覚ました
ドラマとかで見る、ピーーって止まる心電図のフラット音
「ん、なに!?何事!?」
ピーーって嫌な音に目を覚まして
パッと心電図を見上げたら一定になってる事に
一瞬理解が出来ず、焦った
「!?ハルくん!?そんな、嘘……えっ、あ!」
寝惚けてたけど直ぐにナースコールを押してから
ベッドを下りて移動して
ハルくんの身体を揺すった
「ハルくん!?どういうこと!?ねぇ、ハルくん!!」
心臓マッサージなんて思考にならず
只、起こそうと必死に揺すってたりしてたら
走ってきた看護師は、直ぐに父さんを呼んだ
数人の看護師と、父さんがやって来て
彼は俺を引き離して状況を確認してた
皆、パニックで焦ってた
だって、眠り姫病の人が心肺停止するなんて思わなかったから……
「直ぐに除細動器の準備を!おい、春!!寝たまま死ぬなよ!!」
「あ、はい!!」
看護師さんは急いで除細動器を持ってきて
父さんは心電図を見た後に、直ぐに心肺蘇生法を始めた
これを見て、俺は心肺蘇生法を学べる
救急救命士の資格を得ることにしたんだ
30回心臓マッサージをして、一度呼吸を入れ
それを繰り返す様子を見て、只涙が溢れていた
「そんな……ハルくん……」
「アラン!泣く前に声かけろ!無理矢理でも起こせ!」
「っ、はい!ハルくん!ハルくん、起きて!!」
必死にやるから汗をかく父さんの声を聞いて
はっと我にかえり、ベッドに手を置いて耳元で声をかけ続けた
「チッ……ピクリともしねぇ……」
「狛先生!除細動器持ってきました!」
「アラン、離れていろ。ワット150から始める」
「はい!パドルにゲル塗りました」
俺をベッドから離させ、外用パドルを持った彼はゲルを均等に塗ってから胸元に押し当てて
電気ショックを行った
ハルくんの身体が浮いた瞬間に
身体が冷たくなる感覚がして
只戻ってくるのを祈ってた
心電図へと視線を向けた彼はワットを上げるよう指示をして
二度目を行った
「狛先生!」
看護師さんが呼ぶのと合わせて
彼は心電図を見れば、心臓はゆっくりと動き始めた
その瞬間、この場にいた全員が安堵の表情を浮かべたんだ
「はぁ……ったく。よく戻ってきたな、春」
「ハルくん!!父さん、ハルくん大丈夫!?」
「嗚呼、大丈夫だろう」
片付けるように指示をしては、後遺症が残らないか少し検査をするように
身体に触れた父さんは、硬直した
ほんの1分前まで心肺停止してたハルくんがうっすらと目を覚ましたからだ
「春……?」
「っ……いてぇんだよ……」
「おま、んな……馬鹿なことがあるかよ……」
父さんいわく、ハルくんは一定の確率で仮死状態になる癖があると言った
仮死状況になればもちろん心肺停止してるんだけど
目を覚ますのは必然的にある
あくまでも、死んだと思われるぐらい深く眠る状態のこと
何故、眠り姫病の患者が飲まず食わずで永く寝続けれるのか
それは一つの仮説だけど、
" 仮死状況に自らなることで、最低限の体力と身体に残った栄養で眠り続けることが可能じゃないか "ってこと
この病院では、まだハルくんが研究の対象だから深いことは分からないけど
ハルくんはもしかしたら、心電図をつけてないだけで
今までも仮死状況になってたことが
あるんじゃ無いかって父さんは言ってた
だから俺は……ハルくんが寝るのが凄く怖い
寝たまま心臓が止まっちゃうんじゃ無いかって……
この時のハルくんは、全身の痺れが残ってて
痛くて不機嫌だったし
父さんが必死だったから肋骨折っちゃったけど
本人は余り覚えてないって
只、無理矢理起こされて不機嫌だったぐらい
でも……この時もやっぱりハルくんは
事前に大きな手術をした後だった
腸に癌があって
大腸を10㎝近く切ってた後だったから
誰もが回復に寝てるんだと思ってた
でも、心肺停止になってから
俺は例えそうだとしても怖くて寂しい
もし……って事を考えると……
" 電気ショックとか、強い刺激を与えると危機感から起きるだろうが、そうではないなら起きる確率は低いだろう "
「でも、もし……また心肺停止したらどうするの!?俺、心肺蘇生法だけで起こせる自信ないよ!」
"アラン……あの時は初めてだったから俺も周りも驚いたが、眠り姫病は本人の意思によるものだ。無理に起こすこともないだろ?"
眠いから寝る、そんな理由でハルくんは寝てる
それを起こすことは野蛮じゃ無いかって言われて
俺は眠ってる姿を眺めてたら涙が流れていた
「なんで、ハルくんは……こんな難病なんだろう……。もう、十分頑張ってきたのに……」
"その為に、俺達は研究してるんだろ?"
「それがもう4年も進展が無いじゃん!なんの為に、ハルくんの血液検査とかしてるの!?これじゃ、ハルくんは……マウスじゃん!」
"……否定はしない"
有名な医大に情報提供してるけど
日本での事例も少ない
もし、居たとしても数日眠る程度で起きる人が多く
ハルくんのように半月とか数ヵ月なんて滅多にいない
睡眠系の薬だって試した
起こそうと実験だってした
何人もの医者が検査したけど
分かったことは、難病だってことぐらい
ハルくんは…怪我を回復するために寝てる
それだけでも凄く珍しいことだから……
骨密度が低く、細胞分裂の速度が速く
折れても、全治3ヶ月と診断しても1ヶ月半で治る
でも、それって凄く寿命を削ってる行動って……
本能的に自分を守るためなのに
自分で寿命を削るなんて、可笑しいよ……
細胞分裂の回数は、一生の内に決まってる
もし、それが無くなれば……
彼は難病で死ぬ前に、組織細胞が死んだことによる
別の病気で無くなる
何とか怪我をしないように、
身体に負担にならないように生活してるけど……
「こんな、事なら……望まれても折らなきゃ良かった……俺が、自分の手でハルくんの寿命を縮めてるみたいなものじゃん……」
" そう言われてやったんだろ。己を攻めるな "
「それでも、ハルくんが死んだら俺は生きる理由を無くしてしまう、ハルくんが死んだらやだよ」
ずっと一緒にいよう……
そんな、ずっと、って言葉は
この世には存在しないんだよ……
" アラン、落ち着け。只寝てるだけだろ?その内、目を覚ましていつものように生活が出来る。御前は考えすぎなんだ "
「っ……」
" 御前が思ってる以上に、彼奴はきっとどうでもいい夢とか見てるに違いない。起きたら普通におはようって言って腹を掻きながらトイレにでも行くだろう。だからな、マイナスに考えず、プラスに考えろ…… "
「そんなの、無理だよ……俺は……。父さんや皆のように強くない……心は強くないんだよ……。ハルくんの声が、1日でも聞けないと……不安で仕方ない……」
心肺停止した瞬間の、あの音はトラウマでしかない
怖くて触れなかった俺は、彼を失うと言う意味が理解できなかった
でも、また寝たら……って考えてしまうから
怖くて……怖くて……起こしてしまいたくなる
だから朝ご飯を食べて、夜ご飯を食べて、
一緒に寝るまでずっと見てないと気がすまない
" 御前は……春以上に、片割れに依存してるな……。俺は春より、御前が心配だよ……空蘭 "
「 っ……! 」
空蘭……それが俺の本名
ハルくんは、俺の名前が好き
だからどんな小説でも、
ゲームのパートナーの名前でも
アランって名付けてくれる
日本人の父親が、日本で名付けた名前
空のように青い瞳を持つ、蘭
イチイの植物は成長が遅く、寿命が長い植物
イギリスではよく墓場に植えることから
" 悲哀、悲しみ、憂愁 "の花言葉がある
でも、その真逆に" 高尚 "という意味もある
イギリス貴族だった母さんのように
位の高い高価な笏の材料になったことから決められた花言葉だ
イギリスを捨て、日本に来た時に産んだ子だから
俺には悲しみを意味にした名前がついている
空蘭……日本語でもイギリスの読みでも
違和感がない名前は、両親らしいネーミングセンス
俺の名前の由来を知ってるハルくんは
ずっと、アランって呼んでくれている
" 空蘭……春は御前が好きで大切にしてる。御前を置いては逝かないだろう。だからな、そう泣くな……寂しいかもしれないが起きるまで待っていてやれ "
「ん、わかった……待つよ。沢山…話し掛けて、旅行の話もする……」
" 嗚呼…… "
「俺が泣いてても仕方ないもんね……うん、大丈夫……ごめんね、ありがとう……」
" いや、また何かあれば連絡してこい。俺にとって御前は息子みたいなものだからな "
「へへ、ありがとう……父さん」
ハルくんの方に嫁いだ事になるから
父さんの名字を貰ってるもんね……
うん、俺は一人じゃないし……日本にも大切な家族がいる
心配してくれる父親もいる
大丈夫って思えるから、少しだけ笑えてほっとした
" また遊びに行く。春の傍にいてやれ。沢山声をかけてやれ。聴覚だけは聞こえてたりするからな "
「うん、うん……いっぱい、いっぱい…お話しして、こえかける……」
" あぁ、御前達はいい子だな。おやすみ、空蘭 "
「お休みなさい……父さん」
俺が切るまで何気無く待っててくれた父さんとは
2時間ぐらい会話してた
スマホを眺めてから、ベッドに座り直して
枕元に置いてから軽く被さって額を当てる
「春くん……起きたら、お出掛けしよう……。沢山、ご飯食べに行こう……地域活性化させよう、ねっ……」
春くんも怪我を治そうと頑張ってる
だから、俺も我慢しようって思って涙が頬へと流れ
彼の頬へと落ちれば、その瞼は僅かに動いた
「えっ……」
「御前は……静かに……寝かせても、くれないのか……」
「っ、ハルくん!?」
驚いた……目を覚ました事に驚いて目を見開いていれば
彼の両手は動き、俺の背中と首へと回して引き寄せた
「っ!重いよ……」
身体は崩れ、体重を掛けてしまってることに申し訳なくなって
起き上がろうとしても彼の手は後頭部に触れた
「少し……寝かせてほしい……。急に寝て、心配かけた、と思うが……少しでいい……」
「うん、うん……大丈夫……俺、頑張れるよ……。寝ていいよ……ハルくん……」
「空蘭……こんな、俺で……ごめんな……愛してるよ……。俺の、空……」
「っ……!!おれも、俺も愛してるよ……春……」
「……おやすみ、空蘭……」
「おやすみなさい……ハルくん……」
急に寝たのは確かに驚いた……
でも、起きてきたのはもっと驚いた
そんな泣いてる声が聞こえただろうか
そんな寝てられないほどに心配かけてしまっただろうか
でも、ちゃんと……ちゃんと"おやすみ"って言えた言葉は嬉しかった
何度か撫でていた手は、ゆっくりとベッドに落ちて 俺はぎゅっと抱き締めて啜り泣いていれば
寝たはずの彼は盛大に溜め息を吐いて、俺の腹を蹴飛ばしてきた
「ぐはっ!はる、くん!?」
「うるせぇよ、寝れるわけないだろ!トイレ行くわ」
「あ、起きてくれるの!?起きるの!?着いていく!!」
「トイレに着いてくんな!大体、服が気持ち悪いし精子の匂いがすんだよ。何やってんだ、御前は……いや、聞きたくもねぇけど!」
「えっ、あのね……鼻水と涙でちょっと気持ち悪いかも知れないし、ハルくん起きるかなーって思って、擦ったら俺の方が射精して……」
「風呂はいろ……」
「あ、お風呂に湯をいれるね!一緒にはいろー!」
「急に元気になりやがって……」
ハルくん、俺の泣き声に耐えきれず起きてくれました!
やったー!ハルくん起きた!!
わーい!って急にテンション上がって、
彼がトイレ行ってる間に、バスタブに湯を入れ始めたよ
その後に、寝てないか心配でトイレの前に立ってたら滅茶苦茶怒られたけどね
「犬かよ……犬……」
「あ、ハルくんハルくん。ヒナタ達はお泊まりに行ったよ。連れ戻す?」
「あーいや……俺がまた寝ていいように、少し預かってて貰ってくれ……」
「分かった!」
鼻歌を歌って服を脱ぐ俺は、ハルくんが脱ぐのを何気無く手伝えば
彼は肋骨の痛みを気にしながら服を脱ぎ、半分ほど溜まった湯の中へと入った
シャワーを浴びてから、彼の好きな入浴剤をいれて、風呂の中を真っ白にしてから入る
「ちょっ、なにすんだ……」
「いいじゃん、寂しかったんだよー」
軽く引き寄せて膝の上に座らせて、後ろから抱き締めれば
彼は諦めたように胸元へと凭れて脚を伸ばす
そっと片手で俺の髪に触れるのに合わせて
頬に口付けを落とせば、視線は重なり口付けを交わす
「……余り泣くな……心配で、眠れない」
「寝なくていいよ、泣くから」
「ふっ、意味わからん……」
軽く笑った彼は何度も頭を撫でてくれて
俺はずっと肩に顎を乗せてそっと抱き締めてた
やっぱりハルくん、優しくて大好き!
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