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「気にしてるの?」
「え?」
「前に僕がスランプ中だって言ったこと」
「そんなこと……」
「大丈夫だよ、そんなに気にしないで。これは創作をしてる人は必ずどこかで当たる壁みたいなもの。他人からいくら面白いと言われても自分自身はどこか納得いかないって時々起こるんだ。だけど、それで筆を止めてしまったら一生描けなくなる気がしてね。それは僕の場合だけど。他の人は休んだり一旦その事から離れるってことをする人もいるよ」
「……」
紅蓮先輩は私が思ってるよりも大変だってことがわかる。
色んなことを考えて、最後には答えを出して。
やっぱり凄いな、紅蓮先輩。
「僕もこうして悠とデートをしたり、一人では体験出来ないようなことを悠としてるから息抜きさせてもらってる。いつも僕を支えてくれてありがとう。悠がいなかったら頑張れなかった」
「紅蓮先輩は私と付き合う前からずっと頑張ってました。でも今は私と交際してるんですから何かあれば頼ってくださいね! 私に出来ることなら何でもしますから」
「今、なんでもって言った?」
「い、言いました。けど、私の出来る範囲、ですよ?」
……しまった。
紅蓮先輩を励まそうと声をかけたんだけど逆に別のスイッチを押してしまったみたい。
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