4章 紅蓮先生と勉強会

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「そこまで褒めてくれるのは悠くらいだよ。……僕は怖がられてるから」 「やっぱり気にしてるんですか?」 「最初は気にしてた。だけど会長という立場上、生徒の見本にならないと……って思ったら最終的にあんな風になって。いつの間にか堅物会長なんていうあだ名で呼ばれるようになった」 「堅物会長はあだ名ではなく悪口なような気も」 「そうかもしれないね」 「最初はって言ってましたけど今は気にしてないんですか?」 「今は悠がいるからね。他人からどう思われようが気にしない」 いつもの紅蓮先輩だ……。 「それに今は凄く幸せなんだ。こんなに可愛い彼女が隣にいてくれるから」 「紅蓮先輩……。私も同じです」 優しそうな笑顔。紅蓮先輩から幸せって言葉が聞けて嬉しい。 今の話を聞いてちょっと安心した。まわりは怖がってるけど、紅蓮先輩は生徒のことを大事に思ってるってことがわかったから。 私の学校の生徒会長が紅蓮先輩で本当に良かった。今日改めてそう思った。 それから少しスキンシップを取った後、勉強会に取り掛かった。 最初とは違って紅蓮先輩のスパルタ指導のお陰か私の成績は飛躍的にアップし、授業ではそれなりにわかるまでに成長したのだった。
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