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「悠、ここにおいで」
紅蓮先輩は自分の膝をポンポンと叩く。
まるで、こっちへおいでと言っているみたい。
「え、それって」
「そう、僕の膝の上に乗って」
「な、な、なんでですか!?」
「そんなに動揺すること? 僕のネタ作りに協力してくれるんじゃないの? それに今回が初めてってわけじゃないのに」
「それはそうですけど……」
まだ慣れなくて恥ずかしいのは私だけみたい。
「映画館では僕の膝の上であんなことしたのに」
「わー!! 乗りますから」
忘れようとしてたのに。
「……」
私は恥ずかしさに堪えながら紅蓮先輩の膝の上にちょこんと座る。
いつも思うけど紅蓮先輩はどうして普通に恥ずかしいセリフをポンポン言えちゃうの? しかも、相変わらず余裕そう。
……普段から恋愛マンガを描いてたら、このくらいなんてことないのだろうか。
「悠は小さいからおさまりがいいね」
「紅蓮先輩が高いだけですよ。ちなみに何センチなんですか?」
「174。……けして、高いとは言えない」
あれ? 紅蓮先輩の表情が心なしか元気ない……?
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