157人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴方に嫌われるのが嫌で触れることを躊躇っていたんです。……大切だから側にいたい。大事だからすぐに手を出さない。貴方にはわかりませんか?」
「わ、わかりません」
今ので、はっきりとわかってしまった。
如月先輩は私のことが本当に大好きなんだってこと。
こういうの、なんていうんだろ……?
そうだ、溺愛。今の言葉は、しっくりくる。
「わからないのに、どうしてソッポを向くんですか? わざとわからないフリをして、僕の気を引こうとしている。……貴方は本当に可愛くて仕方ない人ですね」
「……!?」
背を向けているのに、かすかに触れられている感覚がする。チラッと後ろを見ると、私の髪にキスをしている如月先輩の姿があった。
最初のコメントを投稿しよう!