1章 シンデレラは堅物会長と交際を始める

12/34
前へ
/311ページ
次へ
「貴方に嫌われるのが嫌で触れることを躊躇っていたんです。……大切だから側にいたい。大事だからすぐに手を出さない。貴方にはわかりませんか?」 「わ、わかりません」 今ので、はっきりとわかってしまった。 如月先輩は私のことが本当に大好きなんだってこと。 こういうの、なんていうんだろ……?  そうだ、溺愛。今の言葉は、しっくりくる。 「わからないのに、どうしてソッポを向くんですか? わざとわからないフリをして、僕の気を引こうとしている。……貴方は本当に可愛くて仕方ない人ですね」 「……!?」 背を向けているのに、かすかに触れられている感覚がする。チラッと後ろを見ると、私の髪にキスをしている如月先輩の姿があった。
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!

157人が本棚に入れています
本棚に追加