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紅蓮先輩の視線は私の首筋から決して離れない。
「別の場所にもつけていい?」
「だ、ダメです!」
「なんで?」
「学校の人に見られるのが恥ずかしいから……です」
嫌じゃなかった。けど、これ以上されるのは私の心臓が持たない。
それにまた言い訳するのがキツいし。元々上手い嘘をつけるタイプじゃないから嘘をつくと心が痛いんだよね……。
「じゃあ制服で隠れる場所ならいいってこと?」
お腹や太ももを撫でるように 触る紅蓮先輩。
「そういう問題じゃ……」
「じゃあ、どういう問題?」
「とにかくダメなものはダメです!」
「悠、ワガママ」
それ、多分ブーメラン……。
我儘な紅蓮先輩は嫌いじゃない。
でも、今回のは別。
「悠がいけないんだよ」
「なにを言って」
「だって僕の気持ちに気付かないから」
「気付いてますよ。好きってこと」
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