5章 紅蓮先輩がお兄ちゃんで私が妹?

18/28

157人が本棚に入れています
本棚に追加
/311ページ
「ほら、やっぱり気づいてない」 「……」 紅蓮先輩は一体なんの事を言っているの? 「他の女の子が黙ってないとかって話したから。僕は悠のことしか見てないのに……伝わってないの?」 「それは痛いくらい伝わってます」 私がいるのに他の女の子の話をするなってことだったんだ。 ようやく紅蓮先輩の言いたいことがわかった。 「僕は人よりも独占欲が強いんだろうね。だって悠のことを誰にも渡したくないって思うよ。家族にですら」 「多分それは溺愛って言うんだと思います。あ、間違ってたらすみません……」 「……あぁ、そうかもしれないね。僕は悠のことを溺愛してる」 背中越しに伝わってくる紅蓮先輩の熱。 すごく、あたたかい。 「でも家族ってお兄ちゃんは私のことなんて好きじゃないと思いますよ?」 「あれは素直になれないだけで本当は心配してるんだよ」
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!

157人が本棚に入れています
本棚に追加