5章 紅蓮先輩がお兄ちゃんで私が妹?

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「私もいただきます。……! ん、美味しいです。自分で言うのも変な話ですけど」 「悠はそのくらい自信を持っていいんだよ。物事はネガティブに考えるよりポジティブのほうがいい。そっちのほうが今後のモチベーションも上がるから」 「なんとなくわかります。……って、もしかしてお兄ちゃんのこと言ってます?」 「まぁ……そうともいうかな。ただ僕以外の男の話をした覚えはないんだけどね」 あれ、紅蓮先輩の声色が変わった? なんだか口調が怖い。怒らせちゃったかな。 「いい匂いがすると思ったら何か作ってたのか」 ガチャとドアを開けてリビングに入ってきたのはお兄ちゃん。 ほら、やっぱり私の言うことなんか聞いてない。 「お兄ちゃんの分もちゃんと作ってあるよ」 「なら今から食う」 「わかった。用意するね」 これは私たちの普通の会話。 だけど紅蓮先輩にはそう見えなかったようで……。
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