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「ここなら邪魔は入りません」
私は生徒会室に連れてこられた。
「紅蓮先輩、その……終わったらメールとかくれると嬉しいです。急だと千智ちゃんを驚かせてしまうので」
「別に他人がどう思うと関係ない。僕は悠が一緒にいるなら、それでいい」
ーーーガチャリ
何の音?
ふと扉を見ると、紅蓮先輩が生徒会室の鍵を閉めていた。
「紅蓮先輩なんで鍵を閉めるんですか?」
「今は僕と悠の時間。誰にも邪魔をされたくないから鍵を閉めた」
徐々に近づいてくる紅蓮先輩。
後ろに下がっていくとすでにそこは壁で。
私は逃げ道を完全に塞がれてしまった。
「悠、逃げないで」
「いや、逃げてるわけじゃ……」
そう、逃げてるわけじゃない。ただ鍵を閉められたから、今から何をされるんだろう?って不安があったから。
学校であんなことはしないって信じたい。
でも、今の紅蓮先輩なら考えるより先に行動しそうで……。
だから無意識に後ろに足が動いた。ただそれだけ。
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