6章 紅蓮先輩と日常を楽しむ

6/26
前へ
/311ページ
次へ
「どうして怯えてるの?」 「だって……紅蓮先輩が鍵を閉めるから」 「閉めたからといって何かするわけじゃない。ただ誰にも邪魔されたくなかっただけ」 「そうですか……」 ホッと安堵する私。 「それとも何かしてほしい?」 「え?」 ドンッ! と壁に手をつく紅蓮会長。 一気に距離が近くなる。 「お腹も減ったし悠のこと食べてもいい?」 空いてる手で私の顎をクイッと持ち上げる紅蓮会長。 その姿にキュンとしてしまう。 「わ、私より普通にご飯食べたほうがいいと思います」 私はだんだんと小声になりながら俯く。 「僕は悠を食べたいって言ってるんだけど」 「それは……」 どうしよう。さっきから心臓の音が鳴り止まない。 バクバクって鼓動のスピードは自分の意思とは関係なしに早くなる。 この音は紅蓮先輩に気づかれたくない。
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!

157人が本棚に入れています
本棚に追加