6章 紅蓮先輩と日常を楽しむ

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あっという間に放課後になった。 私は紅蓮先輩に言われたとおり校門前で待っていた。 「待たせてごめん。生徒会の仕事が思ったより多くて」 「大丈夫ですよ。今日の生徒会もお疲れ様でした」 私といるときはあんまり話さないけど紅蓮先輩は生徒会長だもん。 他の学生よりも多忙だよね。その上、マンガも描いてるし。 「ありがとう。それじゃあ行こうか」 「はい」 紅蓮先輩は、さりげなく私の手を握る。 私は紅蓮先輩の顔を見つめる。 疲れた顔してる……。目の下にクマもできてるし。 昨日はあんまり眠れなかったのかな? 「悠、どうしたの?」 「なんでもないです」 前に話してた短編のマンガの締切が近いとか? だけど、どんなに疲れていても紅蓮先輩は絶対に私に言わない。 恋人なんだから少しは頼ってほしいっていうのが本音。 どうか無理だけはしないで……。
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