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「完璧な紅蓮先輩が体調を崩すなんて一体何があったんですか?」
「あれ」
「?」
紅蓮先輩の指差す先には原稿があった。
「締切が近かったからオールしてたら風邪引いた。でも締め切りには間に合ったから別にいい」
「学生やりながら会長しつつマンガを描くのってやっぱりキツいですよね。とりあえずお疲れさまでした」
私はどれかを中途半端にしろとか、辞めろとか絶対言ったりしない。
紅蓮先輩にとって、どれも好きなことで半端な覚悟でやってないことを知ってるから。
「後のことは私がやるのでお願いだから寝ててください」
「うーん……やだ」
制服の裾をグイーっと引っ張られた。
「悠に甘えたい。そんなに僕がくっつくのは迷惑?」
「め、迷惑じゃないです」
ヤバい。紅蓮先輩がいつもよりも変。
普段の真面目さが一切感じられない。
今の紅蓮会長は甘えモード全開って感じ。
紅蓮先輩と毎日一緒にいる私ですら誰ですか? と聞きたくなるほど別人だ。
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