1章 シンデレラは堅物会長と交際を始める

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「寝室に連れて来られたから、実はそういうことされるんじゃないかって期待してたとか?」 「そんなこと……ない、とは言えないです」 本当は期待していたから、変な敬語で返してしまった。私はあきらかに動揺していた。 「欲張りなシンデレラにはご褒美をあげる」 「ご褒美?」 「でも、タダでご褒美をあげるほど僕は優しくない。……だから悠なりの可愛いオネダリを見せて?」 身体をクルっとされ、向き合う私と如月先輩。 如月は私の手の甲にキスをしながら、私の顔をジッと見つめる。 まるで本物の王子様みたい……。 私はあたふたするだけで精一杯なのに。私なりの可愛いオネダリって、今まで恋人がいなかった私にそんなこと言われても困る! 「えーと……ぐ、紅蓮。キスしてほしい」 思わず下の名前で呼んじゃった……。年上にタメ口と名前呼びは流石にまずかった、かな?
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