1章 シンデレラは堅物会長と交際を始める

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「むしろ、僕は嬉しいんだ。こんなにも僕のことを好きになってくれて」 「紅蓮先輩のことを好きな女の子はたくさんいます!」 「ライバルが多いと悠が困るんじゃない?」 「はっ……! たしかに言われてみれば。どうしよう、勝てる自信ない」 「ふっ。あはは」 紅蓮先輩は笑いだした。でも、私には理由がわからなかった。 「今さっきまで泣いてたのに、もう泣き止んだから。それに今は別のこと考えてる。元気になって良かった」 「あ……紅蓮先輩のお陰です。ありがとうございました」 「どういたしまして」 男の人なのに、綺麗って表現を使うのは変かもしれない。だけど、今の紅蓮先輩の笑顔はその言葉がとてもよく似合う。
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