1章 シンデレラは堅物会長と交際を始める

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「悠、少し小腹が空かない?」 「言われてみれば……でも、なんでわかったんですか?」 お腹の音なんか鳴らしていないのに。 「たくさん泣いたからお腹も減る頃だと思ってね。こっちにおいで」 「っ。はい」 さしげなく気遣ってくれる紅蓮先輩はやっぱり私よりも年上だ。 当たり前のことなんだけど、こういう対応をされると先輩なんだなって改めて自覚する。 「いつも僕が食べてるものだよ。悠の口に合うといいな」 リビングのテーブルには、マカロンやマドレーヌなどの洋菓子が並べられていく。私はゴクッと唾を飲み込んだ。
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