2章 紅蓮先輩の独占欲は強め

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「もう名前で呼び合う仲とか聞いてない。ウチの悠が私より大人に……くっ」 千智ちゃんは悔しそうにしながら、自分の席に戻って行った。 3時間目までの授業が終わった。次は体育。 なにもお昼前のお腹空く時間にやらなくても……。 4時間目に運動って憂鬱。しかも、よりにもよってバスケだし。私はボール競技全般が苦手。 「悠、危ないっ!!」 「え?……っ!」 ボールを受け取ろうとして、足をグキッとさせてしまった。骨折はないと思うけど、すごくズキズキする。 「大丈夫!? 悠」 「千智ちゃん、大丈夫だよ。とりあえず怪我してるかもしれないから保健室行ってくるね」 「私もついて行こうか?」 千智ちゃんは心配そうにしている。けど、ダメ。友達に迷惑はかけられない。特に仲のいい親友には。
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