2章 紅蓮先輩の独占欲は強め

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「骨は……折れてないみたい。少し痛いけど我慢してくれる?」 「なにを……っ!」 「足のマッサージだよ。これで少しは痛みが楽になるはずだから」 「ありがとうございます」 ホントだ。嘘みたいに良くなった。 「それと……」 「なんですか?」 「痛いの痛いの飛んでいけ。悠の痛みが僕にうつりますように……」 おまじないを言いながら、チュッと私の足にキスをする。 「っ……。それ、別の意味で悪化します」 「どういう意味?」 「紅蓮先輩の意地悪……」 「ごめんね、本当はわかってた。でも、良くなってほしいと思ったのは事実だよ」 本当は私が口にしてほしいって、わかってる。求めてるのを知ってて、紅蓮先輩はあえて私に意地悪をしてる。
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