2章 紅蓮先輩の独占欲は強め

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私は5時間目が始まる前に教室に戻った。皆からはめちゃくちゃ心配されたけど、迷惑をかけたくなくて「大丈夫」と嘘をついた。 放課後。私は教室のベランダからボーッと空を眺めていた。捻った足は包帯のお陰かさっきよりも痛みはない。 クラスの人はすでに帰ったあと。 私はもしかしたら紅蓮先輩が来るかもと思ってしばらく待っていた。一緒に帰る約束はしてない。 紅蓮先輩と帰りたいな.......。同じことを紅蓮先輩も思ってたらいいな。 一瞬、強い風が吹いた。 「髪グシャグシャになったし結び直そ」 私はシュルっと髪ゴムを外した。長い髪が揺れる。 ーーーガラッ 「悠、まだいる? ごめん、生徒会の仕事が思ったよりも長引いて……」 「紅蓮先輩!?」 紅蓮先輩のことを考えていた直後、そこに本人が現れた。あまりに唐突すぎて私は声が裏返る。
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