1章 シンデレラは堅物会長と交際を始める

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「ありがとうございます」 私と付き合えたことが嬉しいのか、ギュッと抱きつく先輩。 「ど、どういたしまして」 大胆な先輩だなぁ〜。見てるこっちが恥ずかしいんだけど。 「僕は如月(きさらぎ)紅蓮(ぐれん)といいます。一緒に帰りたいので校門前で待っていてください。自分は鞄を取りに行ってきますので」 「わかりました」 如月(きさらぎ)紅蓮(ぐれん)先輩、か。顔だけじゃなくて名前もカッコいい。 「私も荷物取りに行こっと」 私は自分の教室に向かった。 しかし、年下の私にも敬語なんて如月先輩は変わった人だなぁ。それとも礼儀正しいだけなのかな? 「悠、どこも怪我してない!?」 教室に入ると同時に、女友達が私の肩をガシッ!と掴んだ。 この子の名前は千智(ちさと)ちゃん。 高校に入学して、初めて出来たお友達。 女の子にしては身長が高くて、私とは違ってモデルさん体型。そんな千智ちゃんの表情は、とても心配そうに私を見つめていた。
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