2章 紅蓮先輩の独占欲は強め

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紅蓮先輩に家まで送ってもらった。 「悠、おかえりなさい」 「ママただいま〜」 私は家に着くなり、二階へ上がろうとした。 「あら? それ、どうしたの?」 「それって?」 「首のところ蚊に刺されたみたいに赤いわよ?」 「え!?」 私はドタバタと廊下を走り洗面所まで向かう。 「ちょ、悠!? いきなり走り出して危ないわよ!?」 「これって……」 そこには、くっきりとキスマークがあった。 一番上のボタン閉めても見えるじゃん、これ。 どうしよう……。 「紅蓮先輩……」 こんな目立つところに残すなんて……。 これが独占欲ってことなのかな? もし、仮にそうだとしたら嬉しさが込み上げてきた。 キスマークを見ると、さっきのことがフラッシュバックする。 紅蓮先輩のフルーツみたいな甘い匂い。男らしくて低い声も、髪に触れられた感覚もまだはっきりと残ってる。 千智ちゃんやクラスの人にコレが見つかったときの言い訳を考えておこう。
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