1章 シンデレラは堅物会長と交際を始める

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「そんなに焦ってどうしたの?」 私は千智ちゃんがなんで焦っているのか全然わからなかった。如月先輩と話していただけなのに、まるでお化けを見たかのような目で。 「もしかして、悠……知らないの? さっきの先輩は、この学校の生徒会長!」 「え?」 私は豆鉄砲を食らったかのようにポカンとする。 よくよく見ると左腕に「会長」と書かれた腕章がついてた気がするが、よく思い出せない。 私が通う私立氷ヶ丘学園は、中高一貫校。 この学校には、こんなウワサがあった。 堅物会長には気をつけろ。 成績は1年の頃から学年トップでスポーツも万能。全国模試では常に3位以内に名前が載っているという。年に関係なく誰に対しても敬語で、その上、全校生徒の顔と名前を覚えている。規則を破ったものには、無言で反省文を渡す。 そんな堅物会長がまさか私に告白してきた本人だったなんて……。
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