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「悠、口開けて?」
「あーん。……! このケーキすごく甘いです」
今まで食べたショートケーキの中でも上位に入るレベルで美味しい。
「美味しい?」
「はい、とっても。ぐ、紅蓮先輩?」
「自分で食べるより悠に食べさせてもらいたいな」
「それは食べさせてもらうよりハードル高いです」
そんなオネダリしても駄目なものはダメです! って、はっきり断りたい。
おかしいな。
本当に嫌なら言葉に出来るはずなのに。
「これが成功したら今より更にクオリティの高い漫画が描けるかもしれないのに悠は協力してくれないの?」
「それは反則です。……私はモデルなんですよね?」
「そう。しかも、僕専属のモデルだよ。だから誰にも渡さない。もちろん、未来永劫誰にも渡す気はないけど」
「……っ」
ただのモデルじゃない。
私は紅蓮先輩の専属モデル……。その言葉は何度も私の中をループする。
胸の奥が熱い。私も紅蓮先輩から離れたくない……。
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