157人が本棚に入れています
本棚に追加
ガラッ。扉が開いた。
視線の先には如月先輩の姿があった。
放課後トークで楽しそうに盛り上がっていた生徒は如月先輩を見るなり一気に無言になる。シーン……と教室は一瞬で静寂の世界に包まれた。
「遅いので迎えに来ました。悠、僕と一緒に帰りましょう」
「友達と話してたら遅くなりました。い、今から準備します」
机の中にある教科書を慌てて鞄に放り込む。
……あれ? 今、ナチュラルに下の名前で呼ばれたような気がする。でも、カレカノなら普通だよね。
「え、悠。堅物会長と一緒に帰るの? 危ないよ、危険だよ!」
千智ちゃんはガッ! と私の両肩を掴んだ。
最初のコメントを投稿しよう!