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新名アヤ
何で?
何でよ。
何で私がこんな目に合わないといけないの?
「マジでコイツむかつくんだけど‼」
「ちょっとさーコイツ最近調子に乗ってるよねー」
トイレの端っこに追いやられて、そう言われる。
クラスメイト達の罵詈雑言。
思わず耳を防ぎたくなる。
別に私、調子に乗ってなんか無いよ。
ただ普通に過ごしてただけじゃない。
私が何をしたっていうの?
「調子に乗ってる奴は、お仕置きが必要だね」
「お‼何ー?沙希、なんかやっちゃうの?」
「まずはーせっかくトイレにいるんだし水でもかける?」
「いいじゃん‼それ‼夏だしねー」
「ただの水じゃつまんないからー」
心底楽しそうに、彼女が言う。
「あ‼そういえばこの前、本で読んだ面白いやり方があったんだよね。」
ニヤニヤしながら言う。
私はこのニヤニヤが嫌い。
「どんなやり方なの?」
「梓、モップとバケツ持って来て。バケツには水、汲んできて」
「はいはーい」
「うち、なんとなく分かっちゃたかも‼」
「はい‼持って来たよー‼」
バケツに汲んだ水をジャブジャブつけて、モップを私の顔に押し当てた。
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