母校でデート

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第一話  「母校で待ち合わせ」 爽やかな春浅い青空の広がる清々しい朝のそよ風が心地よい。 長閑な田園風景が広がる母校の裏庭で初恋の人と待ち合わせ。 未だ彼女は来ないなあ、どうしたのかなあ、心配だなぁ。 「あっ、来た、来た、ゆうこさあ~ん!」 「ごめん、ごめん、待ったあ~」 「ううん、ちっとも、天気晴れて良かったね」 「そうね、どこ連れてってくれんの?」 「校舎の周りをさ、ゆうこさんとお散歩したくてね」 「あ、そう、いいよ~、それでも」 二人は校舎のそばに流れている小川に沿って歩き出した。 未だ冬枯れた雑草がところどころに茶色を遺していた。 「なんか懐かしいよね、何十年ぶりに来たけど」 「ええ、学校の周りも何も変わってないわね」 「ねえ、この川の畔で鬼ごっこして走り廻ってたよね」 「あなた、足遅いから直ぐに追いついたわよ」 「ゆうこさん、走るの僕より速かったもんね」 この時、二人の脳裏にはお互い駆けっこして走り廻ってた情景が 思い浮かんでいて、しんみり感慨に耽っていたけど直ぐに二人は 殆ど同時に前を向いて歩き始めた。 8e13285c-3dc6-47d5-a34f-f129b533f08b
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