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「うえええええ!」
その異様極まりない様子と、私自身がこれを吐いた、ということはとりもなおさずこの虫たちが今の今まで私の中に「いた」のだという思いが再びこみ上げてきて、私は更に嘔吐した。
ぞわぞわっ、ぞわぞわぞわっ!
……すると。先ほどよりももっと大量の虫たちが、いったい私の体のどこに巣くっていたのかと思うほどの虫の大群が、私の胃から喉を通過し、便器の中へと吐き出された。
いや、便器の中だけには納まりきらず、トイレの床一面へと吐き散らばった。うええ、うえええ……! まごうことなく自分の吐き出したものの、そのあまりのまがまがしさに耐え切れずまた吐き、そしてまた吐き出されたものがうぞうぞと這い回る姿を見て再び吐き。私は数回嘔吐を繰り返した後、精根尽き果て、トイレの床にべったりと尻をつき、便器にもたれかかってぐったりと座り込んだ。
最後に一回、吐くというよりも、力のないゲップのような嗚咽が私の口から漏れ。それと同時に、最後まで私の胃の中に残っていたのか、一匹の虫が「ぴょん」と口から飛び出て宙返りをした。
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