魔女の器

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魔女の器

「あなたは魔女。そしてあたしは魔女になるための子供。あたしはあなたの所に行く運命だった。そういうこと?」  まだ幼い子供と思って、流石に分かってもらえないと思っていた魔女はこれを言われてとても驚きました。次の魔女はここまで賢いものなのか、と。期待と喜びが高まる感覚がありました。 「その通り。だからこそ、私はあなたを拾った。選ばれた存在を育て上げることが私の使命。この時を長年待っていたの」  それから、およそ10年にわたる二人の共同生活、修行の日々が始まりました。  ハッキリ言って彼女は天才的でした。ほとんど支障もなく、後継者は魔女にふさわしい力を身につけていきました。その度に魔女は大いに驚かされ、同時に、ぼんやりとですが、恐ろしい気持ちになっていました。  あまりにも、生来の力の成長が激しかったのです。それはそれは、世界にも危険を及ぼしかねないほどに。  魔女は、決断しようとしました。ためらいました。とにかく、決められませんでした。だからこそ10年もかかってしまったのです。ですが、ついに固まりました。
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