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幼き魔女の子
今となっては、とてもとても昔のこと。あるところに、親を亡くした小さな女の子がいました。
親に愛されない子供でしたが、親を失うのは非常に辛いことでした。頼れる人が居なかったのです。
だからこそ、その出会いはとても幸運でした。孤独、それ以上に生命の危機に陥っていた彼女を救ったのは、普通の女性よりも少し背の高い女性でした。
「や っ と 見 つ け た ─」
その女性はとても嬉しそうに、一音一音ハッキリと、伝わるように言いました。
「あたしを、探してた、の?」
自分に向けられた言葉なのだ、という確信に、強い根拠があったわけではありません。ただ、自分を見て立ち止まっただけ。それで感じたのです。
「そう。私はあなたを探してた。あなたの味方になるために。さあ、ついてきて」
訳もわからぬまま、女の子は知らない女の人に連れていかれました。不思議と、危機感はありませんでした。
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