僕の奥の手

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僕の奥の手

(このままでは負けてしまう……。何か手は……?)  前を飛ぶ和幸のY22を追い掛けながら僕は様々な追加の手段(オプション)を考えていた。 「……そうだ、もうこれしかない……」  東京湾上空でF53をアフターバーナー出力に入れる。一気に速度が上がり、前を飛ぶY22を五菱重工ビルの1キロ手前で追い抜いた。 「でも、拓也さん、このままじゃ、屋上のヘリポートを通り過ぎてしまいます!」  真理の叫び声が僕の耳にこだました。 「良いんだ! 真理! F53は頼む!」  そう言いながら、僕は両足の間の赤いレバーを思い切り引いた。
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