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レースの結果は?
しかし、僕はそこで衝撃的な光景を目にした。
「えっ? 一郎……??」
その部屋のステージの上に一郎と茜が肩を寄せて立っている。そして二人の指には一郎が運ぶ予定だった指輪が嵌められている。
僕に続いて戻って来た和幸もその光景に目を見開いている。
茜が僕達に気付いて手を振った。
「拓也君、和幸君。お疲れ様。2位と3位だね!」
茜が満面の笑みを僕達に向けている。僕は起こっている事実を理解出来ず口を開いた。
「茜、ちょっと待ってくれ。一郎の機体ではこの時間で戻って来れない筈だ……。どうして?」
茜が首を傾げて口角を上げた。
「ごめんね。二人とも。一郎君とは同じ大学でとっくに付き合っていたの。だけど彼がレースで勝てない事が分かっていたから、このレースのルールを上手く使って、彼を優勝させたの……」
僕達は未だ理解出来ていなかった。
「ルールを上手く使うって……?」
「アクセサリーは貴方達三人と私しか触っちゃいけなかったでしょ。だから指輪は別荘に置かずに私がここに持ってきたの。そして一郎君に渡した。ルールは逸脱していないでしょ?」
僕と和幸は余りの衝撃にその場にへたり込んでしまった。
そして、そのシーンは集まったメディアのカメラを通して世界中に配信されてしまった。
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