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「はいはいはーい! 皆さんのキヨちゃんは日直やでー! 日直いうことはお当番さんや。仕事あんねんから通したってやー」  派手に脱色した茶金髪を天高く盛り、地味なはずの制服のタイは当然のように好みの黒とピンクのストライプのものに取り替え、ギリギリに短いスカート。  ばっちり2枚重ねたつけまつげ。ネイルはもちろん、いつも鋭くスカルプで尖らせて、見事にデコってある。  そんな、学校でも一番目立つギャルのアイミが前へ出ると、流石の男子も一歩下がる。  しかも、時々エキストラの仕事なども頼んでいる関係上、マネージャーのやり方を何度も見ているのだからファンあしらいはお手の物。  もちろん、日直というのもまるで嘘。 「お前はマネージャーかいな、アイミ」  からかうように、また背後から聞こえる調子の良い男子の声。  校内に知らぬ者はいないであろう、こちらも金髪を盛り上げてシャツの前を大きくはだけた、チャラ男なカズナリがアイミのバッグを持って笑っている。  これがとどめだ。すっと背後に通路が開く。 「うっさいんじゃ、カズナリ! ほれ、キヨリも急がな」 「はーい」  腕を引っ張られながら、軽く手を振る。
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