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 他人が思うほど芸能人と言うのはモテないものなのだが、そういう女子の気持ちはわからなくもない。  それにしても、ひどい言われようで気の毒なのは須田だ。 「…まあ、騒ぎにも誰の迷惑にもなってへんのやったらええ、かな」  その辺りに話を落ち着けないとどうしようもない。 「うん、全然大丈夫や。良かったなあ?」 「良かった言うてもなあ。別にそういうん違うし、ほんまに」 「何言うてんのん、そんなんしとったら逃げられるやん!」  アイミはどうしてもキヨリの後押しをしたいらしい。拳に力を込めて力説する。 「須田はなあ、気ぃ強いヤツとちゃうねん。キヨリがアイドルやってことを理解したら絶対逃げる。俺なんかとか言うて。せやから、今のうちにとっつかまえて食ってまい!」 「人を肉食動物みたいに…」 「ほんまに食わんようにして」  アイミはそう言って笑う。いくらキヨリでも人まで食べようとは思わない。 「でもなあ、アイミン」 「なに」 「あたし、別に好きとかやないんやってば、須田くん」 「じゃ、嫌いなん?」  机を挟んで、アイミが体を乗り出す。彼女は好きか嫌いかしか持っていないのかもしれない。
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